プロセスワークを、7年間勉強しているポールです。
最近、組織開発やコーチングの界隈で話題になることもある「プロセスワーク」。「なんか怪しい感じがする・・・」と言われたり、「何を学ぶの?」「そもそも、どこで学んでるの?」と聞かれたりすることも増えてきたプロセスワークについて、どんなふうに学んでいるのか、自分なりの体験を残していきます。
2025年4月20日更新
- この記事を書いた人 ポール
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✅ 「プロセスワーク」を学んで7年目 ✅ 日本プロセスワークセンター フェイズ2に在籍中 ✅ ビジネス現場でプロセスワークを使うべく奮闘中 ✅ 副業でコーチングもやってます |
プロセスワークとは
プロセスワークは「プロセス指向心理学」ともよばれます。ユング派の臨床心理学者だったアーノルド・ミンデル博士によって1970年代に創始され、研究が進められました。研究スタートから、50年以上の歴史がある心理学ということになります。米国・ポートランドにはプロセスワーク・インスティチュートという研究所もあります。(詳しい歴史については「日本プロセスワークセンター」のWebサイトをご覧ください。https://jpwc.or.jp/process-work/history/)
プロセスワークの領域はとても幅広いです。
- 個人向けのカウンセリングやセラピー
- カップルや家族といった人間関係のカウンセリング
- グループや組織のファシリテーション
- 国や民族同士の対立や紛争を扱うファシリテーション
それゆえに「どんなことを学ぶの?」「どんなふうに学ぶの?」ときかれても、簡潔に答えることがむずかしく、なかなか説明しづらいな、と筆者も感じています。7年の学びの体験をこの記事ではお伝えします。

アーノルド・ミンデル博士 (出典:Alanrichardson140 – 投稿者自身による著作物, CC 表示-継承 3.0)
| アーノルド・ミンデル Ph.D. (Arnold Mindell) (1940年 – 2024年) MIT物理学科卒、ユング研究所出身の心理療法家。プロセス指向心理学の創始者。心身相関現象の探求から、東洋哲学、量子物理学、人類学などの観点を採り入れ、先進的な心理療法を開発。『人間関係にあらわれる未知なるもの』(日本教文社・アーノルド・ミンデル著 富士見幸雄監訳・藤崎亜矢子訳)より引用 |
どこで学べるの?
「認定プロセスワーカー」と呼ばれる方々からプロセスワークの技法についてセミナーなどで学ぶことができます。この中で、実際に筆者が学んだことがある場所をご紹介していきます。
日本プロセスワークセンター(JPWC)
筆者は現在、このセンターの学生として学んでいます。JPWCは日本で唯一のIAPOP(国際プロセス指向心理学協会)認定の機関です。
どなたでも参加できる単発クラスから、講師養成のプログラムまで体系だった幅広いクラスがあります。以前は東京都目黒区に教室がありましたが、現在は固定の教室はなく、オンラインセミナーと、都内の会場を借りての対面セミナーの両方があります。コロナ以降はオンラインセミナーも増えて、関東近郊以外の方や、海外在住の生徒さんと一緒に学ぶ機会もあります。
◎どんな形式なの?
人数は数名〜十数名程度のセミナーが多いです。
ワークショップ形式で畳やじゅうたんの上に車座になり、講師も受講者もおなじ輪のなかで、くつろいだ雰囲気で進むのが定番。

ワークショップ開始前のセッティングはこんな雰囲気 ©︎pole
初心者向けのセミナーは、講義とエクササイズの両方がバランスよく配置されています。
中級者・上級者向けになってくると、理論の説明は短く、カウンセリングや自分の内面を探る技法をエクササイズとしてチームで実践したり、その体験を講師と一緒に振り返ったりしながら学びを深めていきます。

基礎セミナーの講義資料 書き込みがギッシリ ©︎pole
◎料金は?
セミナー料金も気になりますよね。日本プロセスワークセンターでは
- 「初めてのプロセスワーク」セミナーはオンラインで2時間3000円
- 入門コースは2日間(14時間)で46,000円
です(25年現在)。対話系のワークショップ講座よりはややお高め、ビジネス系のセミナーと比較すればリーズナブル、といった価格設定です。
バランスド・グロース・コンサルティング(コーチング)
日本で唯一「プロセスワークコーチング」のカリキュラムを展開しているコンサルティング会社です。
筆者が当時カウンセリングを受けていた松村憲先生(日本プロセスワークセンター講師)と、オーストラリア人の認定プロセスワーカーであるロー・サンドバーグ博士が講師ということで、思い切って受講しました。ちなみにコーチングは未経験でした。
「プロセスワークコーチング」は3段階のプログラムに分かれていて、全部続けて受けると9ヶ月くらいのコースでした。
オンラインのテレクラス129時間と、受講生同士でトレーニングの練習をする自主練が課されていて、最終テストに合格すると国際コーチング連盟の試験の受験要件を満たすことができます。(加えて、自分で独自に100時間クライアントセッションを持たなくては申請できません)
プロセスワークと比較すると「プロセスワークコーチング」はビジネスの領域でもとても使いやすい、「E1ME2RGE3モデル®」(読み:エマージモデル)というわかりやすいフレームワーク(枠組み)があります。
もちろん、フレームワークをうまく使えるようになるまでには100本ノック状態で、受講生同士でいっぱいコーチングの練習をするわけですが。その過程で受講生同士けっこう仲良くなれたのもよかったです(オンライン講座だったのですが、実際に会ってご飯に行ったりとか)。そして修了したあと、しっかりコーチとしてデビューすることができました(^^
同期で受講していた方々は、プロコーチや、人事セクションで社内コーチとしてすでに経験を積んでいる方が多かったです。
当時、同期生に「資格を持っててすでに活躍しているのに,どうして学び直しをするの?」と聞いたところ、「頭だけでやらないところがいい」「『E1ME2RGE3モデル®』で未来へアプローチするのは他のコーチングにはない魅力がある」とおっしゃっていました。
その意味ではプロ向けのちょっと上級編アドバンスのコースなのかもしれません。料金は申込タイミングで変動があるようなので、ウェブサイトをみてみてください。https://www.odcoach.org/gci/
米国プロセスワーク・インスティチュート(オンライン)
オレゴンにあるプロセスワークの研究所であり、総本山です。ここでは、毎年冬に「Winter Intensive」という2週間の対面集中コースが開催されています。コロナ禍の2021年、このコースがオンラインで開催されることとなり、3週間にわたって毎日参加しました。
グローバルのセミナーなので時差に配慮があり、時間帯で2クラスに別れていました。筆者はアジア太平洋の時間帯(日本時間あさ7−10時)のクラスをメインに参加しました。ちなみにもう片方のクラスも録画で見ることができます。
参加者はアメリカ人、シンガポール人、タイ人、日本人、ヨーロッパの人もチラホラで30人くらい?
日本のセンター同様、こちらも講義とエクササイズの体験で進んでいきました。筆者は英語は日常会話程度しかできないので、ブレイクアウトルームで2人でエクササイズをしなくてはいけない時は相手のいうことが聞き取れず、冷や汗ものでした。ま、でもプロセスワークを学んでる人は基本的にマイノリティに優しい姿勢を持っているので、なんとかなったのですが。クラスで扱ったケースは、ジェンダーギャップ、性的マイノリティの辛さ、性的虐待、国家間の紛争など。
国境や人種が違っても「ああ、同じ痛みを私たちは抱えている!」という感覚があり、思わず画面の向こうのみんなをハグしたくなるような気持ちになりました。(実際に最終日は涙、涙、、、)
◎クラスの雰囲気
私が参加した時間帯は比較的穏やかでしたが、もう一方のクラス(日本時間あさ3-6時)は欧米人がほとんどで、初日から黒人の若い女性が白人男性に対して「あんたは人種主義者だ!」と激烈に非難するなど人種問題がホットでした。
そこをファシリテートする講師たちも一苦労で、ショックでクラスに出られなくなってしまった生徒もいたようです。
日本ではなかなか意識しづらいガチの人種差別の葛藤で、アジア人は英語の激しい応酬にもついていけずどうしても蚊帳の外になりがち、、、。これもまた世界で起こっていることとフラクタルな体験だったのだと思います。世界中から集まった生徒たちと学ぶクラスで、リアルな葛藤を垣間見た集中コースでした。
個人でセッションをされている方
日本に初めてプロセスワークを紹介した富士見ユキオ先生や、グループワークのワークショップを多数開催されているDayaさんなど、国内でいろんなプロセスワーカーの方がセッションをされています!下記のサイトからご覧ください(セッション料金は人によってかなり違うようです)。

プロセスワークだけでなく様々な技法を組み合わせて独自のセッションをされている方が多い印象です。
まとめ
プロセスワークの学び方には色々あることをお伝えしてきました。3000円で受講できる入門編のオンラインセミナーから、1日単位で受けられるセミナー、そして本格的に学びたい方向けの長期コースまであります。ご自身の興味関心や、ペースに合わせて選択できるので、少しでも興味を持った方はぜひ上記で紹介したサイトをのぞいて、クラスに参加してみてくださいね。
セッションの一例<夢のワーク>
セミナーで実際にどんなことを学ぶのか、気になりますよね。一例をご紹介します。
ユング派の流れをくむプロセスワークでは寝ている時に見る「夢」をとても大切にします。(この辺りが「あやしい」と言われる所以ですね。。。) 正直、真っ当なビジネスパーソンの筆者も「夢を扱う」と言われた時は怪しい宗教団体にでも入ってしまったのかとびっくりしました‼️
いまでは、夢は脳の「無意識の活動」がイメージを伴って現れてきていると納得しています。夢をセッションで扱うと、ストンと腹落ちするような気づきが起こることがあります。
夢のワークの一例としてこんなことをやります。
- 夢の登場人物や、気になるモノになってみる
- 途中で覚めた夢の続きがどうなるかやってみる
- 夢を実際に紙で工作したり、絵を描いたりして表現してみる
例えば「トイレが見つからない!」とウロウロする夢をセッションで再現してみたら、実は仕事で気がかりな人間関係のことに行き当たったり、、、(なんと未消化でモヤモヤした気持ちが「排泄」できずにトイレの夢として現れている!ことに気づいてビックリ、、、)しっかり夢と現実が繋がっているんだな〜と脳の巧妙な仕組みに感心させられます。

夢を一度絵に描いてみることで、どんな意味があるのか紐解いていきます。©︎pole
まとめ
- 「プロセスワーク」ってなに?
- プロセスワークを学べる場所(4つ)
- セッションの一例:夢のワーク
今回は初めてプロセスワークを知ったという方向けに基本的な情報をご紹介してきました。「わかりづらい」と言われがちなプロセスワークのことを少しでも知っていただけたら幸いです。
別の記事では日本語で読めるプロセスワークの本や、具体的な使い方も紹介していきますね。


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